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陶芸歴30年、岸和田と和歌山で陶芸教室を主宰してます。うつわ作りの話いっぱいと、和歌山の暮らし。笑うように生きたい。


by 中出聖子
今朝、窯焚きが終わり、工房の中はむっとするほど暖かい。いつもつけるストーブのかわりに、窓を開けると、昨日から降り続いていた雨の残り香が漂ってきた。
焚いている間は、蓄熱を余儀なくされていた窯が、止めた途端にほっとしたように放熱を始める。緊張の後の、おだやかな弛緩。あとは、出来上がりを時間に委ねて、しばし暖かさの中でうずくまっていよう。

少し先の道路での師走に追い立てられるような工事の音が聞こえる。けれど、工房の中は、時を自ら切り離したように、ひっそりと別の世界に存在している。
しばし暖かさの中でうずくまっていよう。
窯焚きの後の気怠い朝に、柔らかな睡魔のプレゼントを受け取ろう。
片付けた作業台の上、疲れた両腕を投げ出して、重い頭蓋骨を支える。出来るだけゆっくりと息を吐き切る。





窯焚き終わって、眠いよお、って言いたいだけなのを、ただただ回りくどく言って、楽しんでしまいました😄😄  窯焚きハイ??笑笑


窯たきは一期一会です@和歌山:聖工房_c0337724_10133659.jpg


うちは、工房の中に窯を2機、ガス窯と電気窯を使っています。
最初に持った工房が広かったのと、窯場を作るスペースがなかったので、工房の中に窯を設置したのですが、窯の傷みも少ないし、窯詰め・窯焚きが寒くないし、雨を気にしなくていいし、メリットの方が大きいかなと思って、狭い工房ながら、窯がどーんと鎮座しております。
冬の窯焚きは、窯止めのあと、工房内がとても暖かくて、芯から温まる感覚があって、とってもいいですよ。そのかわり、夏の窯焚きは地獄ー!!笑笑


窯たきは一期一会です@和歌山:聖工房_c0337724_10295806.jpg

今回、焼いたのは、和歌山教室と陶芸体験の方の作品たち。年内にお届けしたいので、がんばってスケジュール調整しました。

自分の作品は、失敗が想定内。
窯焚きに失敗はつきもの。
というか、窯の中は、一期一会。
同じ土、同じ釉薬、同じ焼き方をしても、同じ焼き上がりにならないことも。
釉薬の厚みだとか、作品の詰め具合とか、気圧とかほんのわずかなことに影響されたりしますから、窯を開けるたびに、反省や課題を持つことになります。それを繰り返して、力をつけていくのだと思います。
陶芸で、一番難しいのは、焼成だと思うし、かなめだとも思います。思い通りにならないこと、この上ない!
だから、失敗すれば、また作り直せばいいし、失敗することで、気付きがあり、新しいものが生み出せることもある、というスタンスで自分はやっていますが、
教室の生徒さんや陶芸体験で来られた方は、そうじゃない。今作った作品が唯一なので、それは一緒の時間を過ごしてよくわかっているので、何とか、いいものを焼いてあげたい!と思って、自分の作品を焼くより緊張します。
そして、窯を止め、冷めるまで待つ時間、最低でも2日半くらいはかかるので、その間のもやもやした感じ。不安と期待がない混ぜになってぐるぐる巻きにされてくような…

もうこの気分から逃れるには、違うことをひたすらやるか、とにかく意識を窯の焼き上がりに向けない!これにつきます。だって、もう出来ることは待つ以外何もない!!

ということで、作品を待ってる方達、もうしばらくお待ち下さいね😊😊



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# by kiyoi-kobo | 2019-12-18 09:16 | 陶芸

陶芸体験@和歌山 2019秋

学生時代のお友達、4人グループの旅行の途中に、陶芸体験にいらしてくれました。
インスタを見てお電話いただきました。

何を作りましょうか?から始まって、釉薬の相談も迷いつつも楽しそう😄
ちょっとだけ、土練りの体験もしてもらって。
初めての経験。
粘土の手触りとか、塊の粘土を掴んで練るなんてこと、まあないですよね、ふつうは。
白い土と赤い土(鉄分の多い土)、「なんか匂いも違う」って。いいなあ、その感性。素晴らしい!

息子と同年代、若い女性のはグループならではの、あでやかで明るいおしゃべり。
でも作ってる途中で、たびたびシーンと無口になって集中する時間があって。
これがいいんですよね、この時間。


陶芸体験@和歌山  2019秋_c0337724_22522887.jpg

作り終えて撮影タイム。
顔出しはなしで、というご希望でしたので。
世界にひとつだけの、マイお茶碗。

陶芸体験、2時間ですのでここまでで、削りはこちらでやらせてもらうことになります。
みなさん、初めてとのことでしたが、楽しい体験になっておられましたら幸いです。

これが昨日。
そして、今日。

半乾きに乾燥した作品の高台を削らせてもらいました。丁寧に作っていらっしゃったので、私もあたたかい手びねりの雰囲気を壊さぬよう、丁寧に削りました。
陶芸体験@和歌山  2019秋_c0337724_22570645.jpg

各々のサインもメモしていただいていたので、削った高台の中に紛れないようにサインをしました。
陶芸体験@和歌山  2019秋_c0337724_23001311.jpg

陶芸体験というのは、一期一会、私はもうお会いできる機会はないかもしれませんが、作品はずっとお手元に残りますね。
ある意味、自分の作品より気が張ります😅

そして作品たちは、このあと、ゆっくり乾燥、素焼き、釉薬掛け、本焼き、仕上げ、とお渡しできるまで、もう少しお待ちいただきます。
器が焼き上がるまでの旅、案外、長い旅です。
どうぞお楽しみに☺️☺️



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# by kiyoi-kobo | 2019-10-15 22:25 | 陶芸
KIKI-clubの会員の作品を入れた窯、
酸化焼成分の窯出しをしましたので、見てください。

朝から少し雨模様、霧雨が時折。
写真を撮るには、ほんの少し光量不足かも。
影は少なめでいいのですが。

昨日のブログの写真は、大好評!でした。
いろいろと勉強した甲斐があったというもの。
陶器を写すには、少しのコツがいります。
雰囲気よく写すこと、実際と同じ色と形に写すこと、
意外と難しい・・・
まだまだ勉強不足ですが、今回も気合い入れて撮りました160.png166.png

陶芸教室 KIKI-club 作品写真2 @岸和田_c0337724_17031516.jpg
Nさんの湯呑み、黒い土で作っています。
Nさんは、骨董好き。古陶の雰囲気を持った作品が得意ですね。
書道もされるので、筆に慣れているので、ちょっとした線描きもとてもいいですよね。
なかなか、こんなふうには描けないものです。
Nさんの強みだと思います。


陶芸教室 KIKI-club 作品写真2 @岸和田_c0337724_17031629.jpg
こちらもNさんの作品。
白鳳マット釉の濃淡がきれいに出る特色を生かしたデザインです。
この釉薬は、還元でも酸化でもいいでも釉薬ですが、違った仕上がりになります。
還元だと白く、酸化だとクリーム色に。
そういうことも踏まえて使うと、楽しいですね。


陶芸教室 KIKI-club 作品写真2 @岸和田_c0337724_17021040.jpg
こちらはSさんのマグカップ。
白鳳マット釉薬と黒マット釉マットの掛け分けです。
斑点の出る泉州土で作っていますので、渋い仕上がり。
私もこの組み合わせが好きです。

陶芸教室 KIKI-club 作品写真2 @岸和田_c0337724_17024874.jpg
Kさんのマグカップ。
信楽の少し粗目の白土に鉄絵のライン。
釉薬は灰釉です。灰釉は、酸化で焼くと少し黄味を帯びます。
還元では、少し緑っぽくなります。透明釉ではあるのですが。
レトロモダン・・・ちっくです。素敵!


陶芸教室 KIKI-club 作品写真2 @岸和田_c0337724_17031059.jpg
Dさんの黒マットな片口。かっこいい!
細長い注口は飾りなのですが、効いていますね。
手びねりならではの、あたたかみと重厚感。
食卓のアクセントになりますね。
黒は、不思議とどんな色の食材も引き立ててくれます。
その力は、白い器以上だと思います。
黒マット釉薬も酸化でも還元でも焼けますが、微妙に質感が違います。
それも楽しい。


陶芸教室 KIKI-club 作品写真2 @岸和田_c0337724_17033576.jpg
Hさんのフリーカップ。
口縁と下部に塗ってあるのは、漆赤釉です。
そして下絵具での彩画。Hさんならではです。
プレゼントにするのだと伺ったのですが、いただいた方はそりゃあ、ビールがおいしいでしょう!ハイボールかしら?(笑)


陶芸教室 KIKI-club 作品写真2 @岸和田_c0337724_17035340.jpg
同じくHさんのフリーカップ。
東洋陶磁美術館で開催中の『フィンランド陶芸』を見て触発されたとか。
北欧のアートは私も大好きです。

陶芸教室 KIKI-club 作品写真2 @岸和田_c0337724_17062824.jpg
続けてHさんの小皿3枚組。
それにしても楽しいうつわですね。
何を盛るのかなあ・・・いいね!

鮮やかな赤は、下絵具です。
昔は赤は上絵の具でしか出せない色でした。
陶芸の世界も、化学の力で、新しい材料や技法が次々と入ってきています。

古いものへのリスペクトと継承は大切なことだけど、
新しいものを知り、試し、切り開いていく勇気が、次の時代を作っていくのだと、
どんな世界でもきっと。

陶芸教室 KIKI-club 作品写真2 @岸和田_c0337724_17043173.jpg
Sさんの湯呑み。
春に焼いた薪窯の作品の内側に少し釉薬をかけ、焼きなおしました。
一度、本焼きした作品は、釉薬をあまり吸わないので、そこが難しいですね。
でも、美しい器です。

私も溶け不足だったり、少し釉薬を足したり、
焼成の雰囲気や温度を変えたりして、何度も焼きなおす時があります。
結局、初めの焼の方がよかったなんてこともしょっちゅうですが。
試してみたくなるんですよね。
何度も炎を浴びることで、何とも言えない深みを持つ作品になることもあるので、ついつい。

陶芸教室 KIKI-club 作品写真2 @岸和田_c0337724_17060424.jpg
Kさんの小つぼ。赤土に白鳳マット釉。
下絵の鉄絵がアクセントになっています。
赤土に白釉の組み合わせは鉄板です。いい雰囲気です!

陶芸教室 KIKI-club 作品写真2 @岸和田_c0337724_17060584.jpg
Kさんのつぼ。
灰釉です。実際はもう少し黄味がかっています。
実際と同じように撮るのは、難しい!です。
同じ鉄絵でも、上にあける釉薬でずいぶん違って見えますね。

陶芸教室 KIKI-club 作品写真2 @岸和田_c0337724_17060641.jpg
Hさんのふたもの。
ふたを漆赤釉。本体に絵を描かれていたのですが、黄瀬戸釉が濃くて、伊羅保釉のようになってしまい、下絵が見えなくなってしまいました。
私の責任でもあります。申し訳ないです。
黄瀬戸釉の濃さはとても難しいのです。
私の場合は、素焼きをせずに生掛けにします。
薄すぎると焦げが出過ぎるし・・・

ただこれは十分すてきな作品ですよ、Hさん。

陶芸教室 KIKI-club 作品写真2 @岸和田_c0337724_17082747.jpg
白い土に白い釉薬。
けれど、天然のものには、精製され過ぎてない雑味のようなものがあり、それが、趣、風雅といった表情を器に与えてくれます。
白い土に白い釉薬。
そのシンプルさが、その潔さが、引き立たせてくれるのです。

Dさんの小つぼ。
形もシンプル。
できそうで、できない思い切った選択。

陶芸教室 KIKI-club 作品写真2 @岸和田_c0337724_17061066.jpg
Kさんの小つぼ。
黄瀬戸釉です。
粗めの信楽の白い土との組み合わせ。
粗めの土でふたものを作るのは、難易度が上がりますが、雰囲気はいいですよね。
えっとー、何を入れるのかなあ??110.png


陶芸教室 KIKI-club 作品写真2 @岸和田_c0337724_17094380.jpg
宝瓶はDさん。
小さい湯呑みはNさんの作です。

あまりにぴったりなので、コラボしちゃいました。
いいですよね~
おいしいお茶、入れてほしい~!


陶芸教室 KIKI-club 作品写真2 @岸和田_c0337724_17072732.jpg
ちょっと、これもいたずら(笑)
ふたを変えちゃいました。(フタは中出のです)
全然違う雰囲気になりますよね?!
ふたものの楽しさってこういう遊びもできること。
土も釉薬も形も違う。面白いですね!

陶芸教室 KIKI-club 作品写真2 @岸和田_c0337724_17072852.jpg
こちらもkさんの宝瓶。
すごく雰囲気があって、いいできですね。

陶芸教室 KIKI-club 作品写真2 @岸和田_c0337724_17094859.jpg
ずいぶん、渋い感じになりますが、これもお試しでふたを入れ替えて写真を撮ってみました。

陶芸教室 KIKI-club 作品写真2 @岸和田_c0337724_17094943.jpg
Kさんの小つぼ。漆赤釉です。
ほんの少し、ふたが小さかったかな。気にしておられましたが。

陶芸教室 KIKI-club 作品写真2 @岸和田_c0337724_17075610.jpg
Dさんのふたを借りて写真を撮ってみました。
ふたが変わると、本体の色も少し違って見えます。
例えば、下に敷く敷物の色や質感を変えても、違って見えるものです。
それを考えると、色というのは、相対的なものといえるかもしれません。
そういうことも考えて、うつわのデザインを決めていくのも面白いと思います。



はああ~
長々と窯出しにお付き合いくださり、ありがとうございました。



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# by kiyoi-kobo | 2019-10-08 16:53 | 陶芸作品
KIKI-club岸和田教室。
今年は、『ふたもの』に取り組んできました。

・水指(手びねり)の実演・・・薪窯焼成に合わせて
・シュガーポットの実演・・・口縁を閉じて球体を作りカットしてフタにするもの
  (焼成)
・ふたものの基本の講義・・・ふたものの形状・種類の話など実物を見ながら
・ふたつき小つぼの実演・・・手びねりと電動ろくろ
・骨壺の講義・・・地方による慣習の違い、骨壺を作るには?など
・みんなで一緒に小つぼを作る・・・ふたの方に受けがあるツボの作り方
・宝瓶の実演・・・うけのないふたものの作り、手びねりの注口
・片口の実演・・・電動ろくろでの注口の作り方
  (焼成)
・ポットの実演・・・今までの技術をあわせて
・急須の実演・・・今までの技術を合わせて
・香合・合子の実演・・・くりぬきの技法
  (焼成) 

1年を通じて、飽きずに少しずつ上達できるように、プログラムを組んでみました。
たいていのふたものが作れるようになってほしいと思って。
少し、大変かなと思いましたが、
みなさん、がんばってついてきてくれています。

今回は片口まで作ったところでいったん素焼きして釉薬を掛け、焼成しました。
ふたものは、釉薬掛けが非常に面倒です。
重なる部分に撥水材を塗布してから釉薬を掛け(どこが重なるかよく考えないと失敗しますし)、
さらに、アルミナ入りの撥水材を塗布します(釉薬のくっつき防止です)

今回は、還元と酸化、ふたつの焼き方で焼成しました。
還元の窯焚きが終わり、窯出ししましたので、KIKI-clubの会員さん、渾身の作品をご紹介しましょう😊

KIKI-club 陶芸教室 作品写真 1 @岸和田_c0337724_11430723.jpg

Oさんの作品。ジブい黒の釉薬がカッコいいですね。

KIKI-club 陶芸教室 作品写真 1 @岸和田_c0337724_11444926.jpg

こちらもOさんの片口。
ほんのり御本のピンクが入って優しげな表情です。

KIKI-club 陶芸教室 作品写真 1 @岸和田_c0337724_11485417.jpg

ニュアンスのある灰釉、生地の赤土が所々、焦げを作っているのもいいアクセントです。灰釉というのは、本当に飽きない釉薬ですね。
Kさんの作品。

KIKI-club 陶芸教室 作品写真 1 @岸和田_c0337724_11504871.jpg

続けて、同じくKさんの片口、灰釉です。
鉄絵のラインが効いていますね。

KIKI-club 陶芸教室 作品写真 1 @岸和田_c0337724_11541910.jpg

Dさんの黄瀬戸釉の作品。
油揚手と呼ばれるマットな黄瀬戸。
焦げがカッコいい!
シンプルだけど味わいのある仕上がりです。

KIKI-club 陶芸教室 作品写真 1 @岸和田_c0337724_11570432.jpg

同じくDさんのふたもの。
手びねりとは思えない出来、ぴったりふたが合ってますね。
そしてデザインも。
鉄絵のラインと釉薬と土、よく合ってます。
最近のDさんは手びねりにはまってます!
電動ろくろにはないあたたかみ、という言い方は普通かな、もっといい言葉があるといいのですが。とにかく、手びねりの魅力ってありますよね。


KIKI-club 陶芸教室 作品写真 1 @岸和田_c0337724_11584857.jpg

諸事情で、しばらくお休みしてたSさん。
ふたものはまたゆっくり追いついてくださいね。
白鳳マット釉薬の濃淡を利用してデザインされた小皿の組物。釉下の鉄絵も柔らかくていい表情です。かなり素敵なお皿じゃないですか?👍


KIKI-club 陶芸教室 作品写真 1 @岸和田_c0337724_12021507.jpg

KIKI-club 陶芸教室 作品写真 1 @岸和田_c0337724_12021871.jpg

KIKI-club 陶芸教室 作品写真 1 @岸和田_c0337724_12043681.jpg

KIKI-club 陶芸教室 作品写真 1 @岸和田_c0337724_12021997.jpg

Hさんの作品をまとめて。
がんばった甲斐があった作品群。
とてもいいですねー!!
はなまるです。


KIKI-club 陶芸教室 作品写真 1 @岸和田_c0337724_12042972.jpg

おまけ。
健康上の事情で退会されたKさんの残っていた鉢を焼きました。なかなか窯に入れられなくて、ずっと気になっていたのでよかった。とてもいい仕上がりでホッとしました。さっそくお送りしますね。
これも、灰釉です、少し厚く掛けると、こんな古陶の青磁のような風合いになります。御本のピンク色が1箇所、またいい場所に出ているのも、奇跡のような。
彫りを入れた鉢のデザインとも合ってますね。



今回、なかなかの焼き上がりでした。
会員の皆さんの作品がうまく焼けると、自分の作品が成功するより3倍くらい嬉しいし、ホッとするのは何故かしら。
今回は、還元で焼いた窯でした。

酸化焼成した窯は、ただいま、冷めるのを待っています。明日夕方には、窯出しできそうです。
おたのしみに。



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# by kiyoi-kobo | 2019-10-07 11:40 | 陶芸作品
朝晩涼しくなりました。
こんなふうに頭の中にも涼しい風が吹き渡るといいのに。
相変わらずメンタルよわよわ人間の私は、ちょっとへこむことがあると、思考が堂々巡り。
ごちゃごちゃと頭の中で絡まって、動作まで鈍くなってしまいます。

何とか抜け出したい、抜け出そう・・・
やみくもにあがいた甲斐があったのか、少しずつ、動けるようになってきました。

まあこんな情けない私の頭の中は置いといて(笑)
滞っておいたブログを更新しましょう。

今日は岸和田陶芸教室の日。
今月は釉薬掛け月間です。
信じらないことに釉薬を一日で掛けてしまうという陶芸教室を多々知っておりますが・・・
(それぞれの事情があるとは思うのですが)
釉薬掛けは、陶芸の工程の中でも、かなり重要です。
ここをおろそかにすると、今までの苦労が水の泡になりかねません。
釉薬選び、手順を熟考して、落ち着いて釉薬を掛け、丁寧に仕上げをしましょう。

特に今回の釉薬掛けは、今年からずっと取り組んできたふたものです。
本体とふた、ひずみなく焼きあがるためには、数々の留意点があります。
撥水材を塗る作業だけでも、気の張ること。
大変ですが、がんばりましょう。(というか、みなさん、大変がんばっておられます!)

今日は、Hさんが自宅で呉須と鬼板(どちらも陶芸用の下絵具の材料)で下絵付けを描かれて持ってこられました。とても時間がかかるので、ご自宅でゆっくり描いてこられたのです・・・
美術の心得のあるHさん、さすがです!

『描かずにはいられない』・・・陶芸教室@岸和田_c0337724_11172719.jpg

『描かずにはいられない』とつぶやいていたHさん。
その微妙な心理、私にも覚えはあります。
私は、それは越えたと自分では思っていても、ひょっこり顔を出してくる、
不安に似たもの、でしょうか?
もの作り、のむずかしさ、こわさですね。

それは、置いといて・・・

いやあ、すごいパワー、努力ですね。
描くことに根を詰めすぎて、肩が凝りまくり、何度もマッサージに通ったとか・・・
153.png153.png

でも、それを楽しそうに話しておられました。

作り手の熱量は、作品に宿ります。

必ず、伝わります。

まだ焼けていませんが、写真からも伝わってきます・・・よね。

お仕事の都合で長く休会されていたHさんが、しばらくぶりに再入会されて、
KIKI-clubに、新しい風が吹き始めています。
教室は、講師である私だけが作れるものではなくて、
会員の方々----- 人が作っていくものです。
ひとりひとりの、人となりが、重なり合って連なりあって、
陶芸の時間を紡ぎだします。

とても面白いなと思います。

いいよね。


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# by kiyoi-kobo | 2019-09-17 21:51 | 陶芸