うつわ作りの中で、そろいもの、セットものを作るのは、かなりハードルが上がります。
たたら作り、と言って粘土の板を作り、石膏型などに被せて作る技法なら、正しい手順とコツと丁寧さがあれば、ろくろの技術がなくても、そろいものを作ることができます。
手間を惜しまず、土の特性を理解して作れば、たたら作りでクォリティの高いものが出来ます。技法を生かして工夫するのは楽しい!
その話はまた次の機会に。
今回は、ろくろで作るそろいものの話。
電動ろくろでも、卓上ろくろでも。
コテとトンボ、あとはろくろの技術。
それがあれば、作れます。
では、コテとトンボを作りましょう。
まずは、作りたいものの、サイズ、カタチ、をしっかりと決めます。
(もちろん、土、(装飾)、釉薬、焼成方法まで、全て決めておきます)
頭の中でイメージして、作ってみて、潰し、またイメージをふくらませ、また作り、潰し、・・・という頭の中の作業を延々と繰り返して、こんな感じのものを作ろうと決めます。
サイズは、例えば鉢なら、家にあるもの、お店で見たものなど実物を見てこれよりちょっと大きめ、などと参考にします。その時、気をつけることは、陶器を作るので陶器ものを参考にして下さい。磁器だと、厚み感が違うので、あれ?ということになりやすいです。
出来上がりのサイズが決まったら、使う土の収縮率で計算して、実際に作る時の大きさを決めます。
収縮率は、土の種類と焼成の条件で違ってきますので、本当は前もって焼成テストをしておくのがいいのですが、そこまではなかなか難しいでしょうから、アバウトですが、15%で計算すれば大きくは違わないと思います。
面倒くさがりの私のでは、微妙かもしれませんが、こんなふうに制作メモを取ります。
コテは内側の左半分のカタチ、に持つ部分2センチ高さ分くらいを足して作ります。
出来上がりの半径から、うつわの厚みを引いたサイズ、内高、内側のラインでコテのカタチを決めます。
曲線を描くのに、こういうものを使うことも。
昔から使ってるので、名前を忘れたけど、、曲線用の定規、自由に曲げられます。
そのカタチを紙に写して、
木製の薄板をそのカタチにカットします。
ノコギリや糸のこ
あとはヤスリと、紙ヤスリで断面をしあげます。
トンボは厚みも入れた外径と、内高で作ります。
こういう組み合わせ。
大切なのは、トンボやコテを美しく作ることではなくて、作品を作ることですから、慣れると30分くらいで出来ます。
トンボでサイズを測り、コテで内側のラインを作る。
理論的には、これで同じものができるはずですが、使いこなせるようになるまで、技術の習得が必要ですね。
ひとつ、凝ったものを作るより、同じものを作る方がはるかに難しいとは思います。
それでも、『技術』ですから、練習すればできるようになります。がんばって!
ちなみに、写真のコテとトンボでろくろ引きした鉢です。
そして、削った後。
重なります。
おでんとか、シチュー用の、少しだけ深めで大きめの鉢、欲しいなあって。
自分が欲しいものなら、他にも欲しい人はきっといるはずと、自分がワクワクして使えるものを目指して作っています。
薪窯で焼成予定。
どんなふうに焼けるのか、頭の中にはイメージがあるのですがお楽しみ!
焼けたら、また、写真をお見せできると思います。
お役に立てたでしょうか?
それなら嬉しいのですが😃
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